ご家族が亡くなってしまいますと、悲しみの中遺品整理や形見分けを進めていくことになりますが、ちょっとした不手際やコミュニケーションが取れていなかったがために、親族間でトラブルが発生するケースが多々あります。これまで仲の良かった親族間でもめたくはないと考える方は多いでしょう。ここでは遺品整理や形見分けでもめるケースとその対策についてまとめました。
思い出の写真だったのに
うっかり思い出の品を処分してしまいトラブルになるケースがあります。例えば遺品整理を親族の誰か一人に任せてしまい、その方がうっかりゴミと一緒に写真やアクセサリーなどの思い出の品を捨ててしまうケースです。また遺品整理業者ではなく不用品回収業者に頼んでしまったため、ある親族にとっては思い出の品が捨てられてしまい、中には印鑑や通帳までも捨てられてしまった、という例もあります。
親族の方が遺品整理をする際は間違って紛失処分しないよう注意するとともに、専門業者に依頼する際は、不用品回収業者ではなく遺品整理業者に依頼することをおすすめします。不用品回収業者は室内の荷物の処分が仕事となりますが、遺品整理業者は仏壇などを含めた故人の遺品に気を配りながら遺品整理と不用品の分別などをしてくれるからです。不用品回収業者と遺品整理業者は業務内容が大きく異なるので注意しましょう。
どうして赤の他人に渡してしまったの?
遺品を親族外の人にうっかり渡してしまいトラブルになるケースがあります。例えば故人の特殊なコレクションを、自分はいらないし親族も誰もいらないでしょうと、うっかり故人のコレクター仲間に渡してしまう場合などです。
自分がいらない場合でも、親族の中には誰かしら形見としてもらいたいという親族がいるかもしれません。遺品は親族間での話し合いが済むまでは、親族外の人に譲渡してしまわないように気をつけましょう。
生前に父さんがくれると言っていた
口約束でもめるケースがあります。例えば「あの装飾細工の掛け時計は、父が私にくれると言っていた」といった場合などです。口約束ですので、故人が亡くなってしまった後はそれが本当なのか嘘なのか分かりません。真実であった場合でも、売却すれば値がつくから嘘をついているのでは、と疑われます。
このような約束をしている場合は解決が難しいことも多いのですが、突然申し出るのではなく親族同士の話し合いをしていく中で、穏やかに感情的になることなく申し出るようにしましょう。
無理矢理押し付けられた
故人とゆかりのある人だからと、誰もが遺品が欲しいというわけではないかもしれません。物によってはその保管や最終的な処分に困ってしまう方もいらっしゃいます。
そのような時は、無理に「これを受け取ってください」と言うのではなく、「良ければこの遺品を受け取ってもらえますか? 必要ではなかったら、遠慮なくおっしゃってください」と伝えましょう。そうすることで良かれと思って渡したのに「無理に押し付けられた」といった行き違いを防ぐことができます。
誰が部屋を片付ける?
故人がアパートなどの賃貸で一人暮らしをしている場合は期限内に居室を明け渡さなければなりませんが、遺品が多かったり、いわゆるゴミ屋敷になっていたりする場合は誰が片付けをするかでもめるケースがあります。特に遠くに住んでいるご親族の場合は交通費もかかりますし会社を休まなければなりませんので負担です。
このような場合は遺品整理業者への依頼をおすすめします。遺品整理業者へ依頼すると次の2つのメリットがあります。
親族が集まれなくても代わって作業をしてくれる
依頼者に代わって遺品整理作業をすすめてくれますので、親族が集まらなくても問題ありませんし、遠方の親族の負担も最小限に抑えることができます。遺品整理が終わって引き渡しの時だけ集まるだけで済みます。
不用品の処分も任せられる
遺品整理にともない処分しなければならないゴミが発生します。近所のゴミ収集場所にすぐに出せる燃えるゴミなどであれば負担は少ないですが、家電製品や机やベッドなどの家財道具は処分するのに労力がかかるものです。引取りの電話問い合わせをしたり、特定の日に収集場所まで運び出したりする手間もかかります。ところが遺品整理業者に依頼すると不用品回収もしてくれるところも多く、これらの処分もまとめて引き受けてくれます。
ただし不用品処分をしていない遺品整理業者もありますので、事前に確認するようにしましょう。
まとめ
遺品整理や形見分けは、故人とはもう話をすることができませんので、その整理の仕方や処分をめぐってトラブルになるケースが残念ながら多々起きてしまいます。残されたご親族の方それぞれのちょっとした意識で防げるもめごともありますし、ご親族だけで遺品整理をすることが負担である場合は専門業者に任せてしまうのもおすすめです。
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